「この不動産は1億円です」と言われても、高いのか安いのか
どう判断されますか?
不動産は相対取引なので価額はあってないようなもの。
土地は昔から「一物四価」と言われる通り、4つの価額があります。
1.実勢価額
2.公示価額
3.相続税評価額
4.固定資産税評価額
1.実勢価額とは実際の取引の際の売買価額です。
2.公示価額とは国土交通省が発表している価額で、
一般取引価額や固定資産税評価額の参考値に用いられるものです。
3.相続税評価額とは、国税庁によって発表される価額です。
4.固定資産税評価額は、市町村が固定資産税を課するための不動産価額です。
これら4つの価額はどれも異なった金額です。
大体の目安として、相続税評価額は公示価額の8割、
固定資産税評価額は公示価額の7割とされています。
目的に応じて、どの金額を用いるか変わってきます。
では、不動産投資の銀行融資で用いられる「積算価額」ですが、
これはどの価額のことをいうのでしょうか。
土地は「3.相続税評価額」を用いるようです。
ただし、金融機関や景気により、相続税評価額から引き上げたり、
反対に、相続税評価額に7割を掛けて評価したりと、対応はまちまちのようです。
それぞれの金融機関に固有の調整が行われるということのようです。
ただし、相続税評価額が高い方が融資が付きやすい!ということは言えるでしょう。
一方、建物については、『標準的な建築価額』を用いている金融機関が多いようです。
「新品の建物の積算価額=@標準的な建築価額×建物延床面積」
『標準的な建築価額』は建築構造・建築年数によって評価単価はまちまちですが、
RCで15万円~25万円/平方メートル
鉄骨で10万円~16万円/平方メートル
木造で10万円~15万円/平方メートル
です。上記は国土交通省から出されている数字です。
そこから、築年数分の減価償却価額を差し引くと、
現時点の建物の積算評価額が算定されます。
「現時点の建物の積算価額=新品の積算価額-減価償却費の累計額」
ただし、金融機関によっては、法定耐用年数が47年にもかかわらず、
40年で評価される場合もありますので、ご注意ください。
【まとめ】
融資の際に銀行が評価する不動産の価額は・・・「積算価額」
「積算価額」とは・・・
・土地は「相続税評価額×土地面積」
・建物は「標準的な建築価額×延床面積-減価償却累計額」
これらが高い方が融資は受けやすい。
では積算価額を高い物件とはどういう物件なのでしょう?
相続税評価額⇒立地のいいところ
土地面積⇒広い方がよい
標準的な建築価額⇒RCが高い(SRCはさらに高い)
延べ床面積⇒広い方がよい
減価償却累計額⇒築浅、耐用年数が長い(RCなど)方がよい
ということになります。
ただし、これらすべてを満たす物件はもちろん、取引価額も高くなります。
それだけ必要融資額も多くなります。
つまり、これらの要素が取引価額と比較して高い方が、融資はつきやすいということです。
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