法人化はほとんどの不動産投資家が興味のある内容だと思いますが、中には、法人化すれば必ず節税できると思っている方もいます。
学校や会社で税金のことを教えてくれないので、そう感じることも仕方のないことかもしれません。
恥ずかしながら、僕も広告代理店の営業マン時代は、それぐらいの知識しかありませんでした。
でも、僕が今まで相談を受けてきた経験から言うと、実は法人よりも、個人の税率の方が低いケースがほとんどです。
税率には、物件の表面利回りと同じように、表面税率というものがあります。
個人の表面税率は、所得税・住民税を合わせると下記のようになります。
課税所得金額 税率 控除額
~ 195万円以下 15% –
195万円超 ~ 330万円以下 20% 97,500円
330万円超 ~ 695万円以下 30% 427,500円
695万円超 ~ 900万円以下 33% 636,000円
900万円超 ~ 1,800万円以下 43% 1,536,000円
1,800万円超 50% 2,796,000円
これを見ると、195万円までの課税所得の人は税率15%ですが、195万円から330万円の課税所得の人は20%の税率です。
でもその後の「控除額」を見ると、97,500円とあります。
これは、195万円までは15%の税率で、195万円から330万円までの税率が20%なので、195万円までで取り過ぎた5%分を引いているのです。
わかりやすい計算式で表すと、課税所得330万円の人の税金は、
195万円×15%+(330万円-195万円)×20%=562,500円
となります。
この場合の税率は、
562,500÷330万円=17%
と表面税率よりも3%落ちることになります。
これを実効税率といいます。
物件で言うと実質利回りのようなものですね。
もちろんお勤め先からお給料をもらっている人は、与所得に上乗せで、不動産所得がオンされますので、不動産所得に対しては表面税率が、そのままオンされる場合がありますが、不動産所得だけの人の場合は、課税所得が1,000万円でも、実効税率は27.6%です。
法人の実効税率は約30%ですので、個人の方が実効税率は低いんですね。
ですから、なんでもかんでも法人化すれば節税ができるということはない、ということを覚えておいてくださいね。
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